生の玉ねぎが体にいいのは知っているけれど、どうにもあの辛みが苦手でたくさん食べられないという方も多いのではないでしょうか?
しかしちょっとした工夫を加えるだけで、玉ねぎはとっても食べやすくなります。ここではそんな玉ねぎの辛みを取るための方法についてお話ししたいと思います。
辛みを取りやすい切り方

皆さんは玉ねぎをスライスする際、包丁でどのように切っているでしょうか?実はこの切り方一つをとっても玉ねぎの辛みを抑えるための秘密が隠されています。
まず、玉ねぎに含まれている辛みの原因は<硫化アリル>という成分であり、この硫化アリルは空気に触れると揮発しやすいという性質を持っています。上下に走っている玉ねぎの繊維に沿って切ると繊維がそのまま残ってしまいますが、横に切ると繊維が断ち切られ、空気に触れた硫化アリルが揮発する面積が広くなります。
そのため、玉ねぎは上下に切るのではなく、横に切ると辛みが抜けやすくなるのです。
砂糖もみで辛み取り

辛みを抜くための方法として塩もみがありますが、辛みが抜ける代わりに少ししょっぱくなってしまうという欠点もあります。そんな時にオススメしたいのが<砂糖もみ>。
やり方は簡単で、
- 半個分の玉ねぎをスライスした後ボウルに入れ、大さじ1程度の砂糖を振り入れます
- 玉ねぎ全体に砂糖が行き渡るようにしっかりともみ込みます
- 10分ほど静置し、玉ねぎがしんなりしてきたら水さらしをしてしっかりとキッチンペーパーなどで水気を絞りきります。
という3つの行程で完成します。
シャキシャキとした歯ごたえも適度に残されており、辛みも和らぐ、塩辛くもならないというオススメの方法です。
水にさらすのはNG!

「玉ねぎの辛みを取るために水にさらす」これもよく知られている辛み取りの方法です。
先に述べた玉ねぎの辛み成分<硫化アリル>は揮発性であると同時に水溶性でもありますので、水にさらしておくことで水の中に硫化アリルが溶け出し、辛みが取れるというわけです。
でもこの硫化アリル。実は「血液が固まりやすくなるのを抑制し、脳梗塞や動脈硬化を予防する」「ビタミンB1の働きを助け、疲労回復の効果がある」「胃腸の調子を改善する」「抵抗力を高め、感染症を予防する」など、非常に優れた効果があります。
また、玉ねぎにはビタミンB群やカリウムなどの栄養素も含まれていますが、それらも水溶性の栄養素のため、体にとって大切な成分が水にさらしている間にどんどん流れ出ていってしまうのです。
では、「玉ねぎの辛みを抑えつつ、玉ねぎに含まれている栄養もしっかりと摂りたい」という場合にはどうすれば良いのでしょうか?
その答えは「水ではなく、空気にさらしておく」ことです。
辛みの元である硫化アリルが揮発性であることはお話ししましたが、切った玉ねぎを15分ほど放置して空気にさらしておくと辛みはかなり和らぎます。その場合、なるべく空気に触れる面を多くするため、「玉ねぎは上下ではなく横に切る」「なるべく薄くスライスする」「できるだけ重ならないよう広げておく」と良いでしょう。
また、もっとしっかりと辛みを取りたい場合はラップをかぶせて冷蔵庫に入れ、1時間半から2時間程度置いておくと良いでしょう。硫化アリルの効果はある程度時間が経過する方が強まるとも言われていますので、辛みも取れて体に対する効果もアップする一石二鳥の方法と言えます。
おわりに
いかがだったでしょうか?生で食べる際に特に強く感じられる玉ねぎの辛みですが、今回ご紹介したような方法で抑えることにより随分食べやすくなります。
硫化アリルは辛みの成分であると同時に体にとって優れた効果をたくさん持っていますので、是非玉ねぎを食べる際の参考にしてみて下さいね。